シェルブールの雨傘
おススメ度:5/5
あらすじ
舞台は1957年のフランスの港町シェルブール。雨傘屋の娘、ジュヌヴィエーヴは父親が亡くなり、今は母と2人で暮らし。そんな彼女には、自動車修理工場で働いている青年ギーという名前の恋人がいる。ある夜、2人はオペラ『カルメン』を見に行く。ギーはガソリンスタンドを経営したいという夢をジュヌヴィエーヴに聞かせる。2人は結婚をしたいと思い、子供の名前を考えているが、ジュヌヴィエーヴの母は2人の結婚には反対をしている。
ある日、ジュヌヴィエーヴと母の元に税金の通知書が送られてくる。資金調達のため、母は大切にしていたネックレスを売りに宝石店へと向かうが、買い取りは難しいと言われてしまう。そこに偶然居合わせた宝石商のカサールがその場でネックレスを購入してくれた。
ジュヌヴィエーヴはギーと再度会った夜、「2年間アルジェリアでの兵役に就くことになった」と伝える。2人は尽きる事無く別れを惜しみ、その夜2人は結ばれる。そしてとうとう、ギーがアルジェリアに行く日がやって来る。駅で別れを惜しみながらもギーは列車に乗り、ジュヌヴィエーヴは去っていくギーを見つめる。
ギーは無事にアルジェリアから戻ってくることができるか。そしてジュヌヴィエーヴとの仲はどうなるのか。
見どころ
この映画はセリフの全てが歌になっている完全なミュージカル映画となっています。登場人物の喜怒哀楽が全て歌に乗せて表現されています。初めは少し戸惑うかもしれませんが、ストーリーが進んでいくにつれて登場人物に自然と感情移入ができるようになっていきます。
この映画はとにかく切なくて、何度も泣いてしまいます。ギーとジュヌヴィエーヴが、駅の待合室で別れを惜しむ気持ちを歌うシーンが見どころです。「愛しているわ」、「泣かないで」、「行かないで」、「そうはいかない」と別れを惜しながらも、ギーがジュヌヴィエーヴから離れていくシーンは、何回見てもハンカチが濡れてしまいます。列車が動き出してからもお互いの思いを歌い続ける場面は、この映画の名シーンです。
ジュヌヴィエーヴが恋人ギーを想いながら自然と流れる涙が見る者を切なくさせます。思わず映画の中にいるジュヌヴィエーヴを抱きしめたくなってきます。
耳に残る印象的なテーマ曲と共に見終った後もずっと心に残る作品です。